パチンコ業界の喫煙所問題について考える 全面禁煙VS喫煙専用室を作るか

受動喫煙防止対策について

パチンコ業界全般においてたばこは、切っても切れない関係性といっても過言ではないかもしれません。
パチンコホールでたばこを吸いながら遊技をするのは、今日まで当たり前の光景であり(都内では99%が屋内禁煙OKというのが現状!)それがこの2020年4月の健康増進法改正と受動喫煙防止条例の施行によってどう変わるのか?!現場の業界の方とお話しをしていても、あまりピンと来ていない方が多いような実感があります。

しかしながらパチンコホールは、原則屋内禁煙になります!実はとてもシビアな問題なのです。

そこで今回は2020年4月、法律・条例によってパチンコ業界の喫煙所にどんな問題が起こるのか、前回の記事より更に深堀していきたいと思います。

Q1:2020年4月以降、パチンコホールでの喫煙において、取るべき対応は?

細かく分けると4パターンから選ぶことになると考えられます。
店内全面禁煙
店内禁煙ではあるが、喫煙専用室を設置する
禁煙エリアと加熱式たばこ専用エリアに分けて営業
この場合、加熱式たばこ専用エリアでは吸いながらの遊技がOK
③に加えて更に喫煙専用室(紙たばこ専用)を設置する
※加熱式たばことは、 IQOSやグロー、ブルームテックなどのことを指し、ニコチンを含まない電子タバコとは別。

恐らく、多くのパチンコホールは、①もしくは②を選択するものと思われます。
それは、加熱式たばこ専用エリアという在り方が非常に難しいからです。

Q2:ホールにおいて、加熱式たばこ専用フロアを設けるのが難しいのはなぜ?

もし加熱式たばこ専用フロアを設ける場合、3つ弊害があります。
そしてこの3つの弊害が、加熱式たばこ専用フロアの設置が難しいと考える理由です。

① 加熱式たばこ専用フロアには、20歳以上でないと入る事は出来ません。しかもこれは、遊技客はもちろん従業員も同様であり、更には営業時間外も20歳未満の従業員がこのフロアに立ち入る事は許されません。
② ①の理由から、トイレや景品カウンター等はすべて禁煙エリアに設置する必要があります。
③ パチンコとスロット両方に、禁煙エリアと加熱式たばこ専用フロアを別々に設置しなくてはならないため、パチンコとスロットの設置階が分かれている場合は場所の確保が難しくなります

加熱式たばこの現時点のルールとして、階数が複数ある店舗では、「フロア分煙」はOK。煙は基本的に上に向かうため、禁煙のフロアより上の階で喫煙すれば、下の階に煙が流れず、望まない受動喫煙を防げると判断しました。ただし天井に吹き抜けがあるなどの構造では認めない方針です。
先ほど述べた通り、この加熱式たばこ専用フロアでは、遊技や飲食をしながらの喫煙が可能です。ここが紙巻きたばことの大きな違いと言えそうです。(紙巻きたばこの場合、喫煙専用室でのみ喫煙が可能で、ここではパチンコはもちろん飲食も不可。)
では平屋のパチンコホールで、店全体を加熱式たばこ喫煙可にするのはOKか?というと答えはNOです。
しかし加熱式たばこの措置については受動喫煙による影響が科学的に明確に立証されるまでの暫定的な措置であり、今後加熱式タバコの煙による健康への何らかの影響が認められれば、このような措置もなくなる可能性が否定できないのです。

Q3:店内全面禁煙にするメリットは?

ずばり、【パチンコ屋=タバコ臭い】のイメージの払しょくが一番のメリットと言えます。2017年に全日本遊技協同組合連合会が実施したパチンコ・パチスロをやめた客へのアンケートで、「どうしたらまたやりますか?」の質問の第3位に、【タバコのにおい・煙の環境が改善されたら】がランクインしています。
たばこの煙が苦手な人は従業員も一緒で、特に若者や女性はたばこ臭い環境で働くことに強い抵抗を感じている人も多いと思います。店内全面禁煙でクリーンな空気での働く環境を提供できることは、労働者不足の解消にも繋がるかもしれません
また、店内全面禁煙に振り切れば、喫煙専用室を設置する費用がかからないのも大きな魅力と言えます。

Q4:喫煙専用室を設置するメリットは?

常連の喫煙客を取りこぼさず、たばこの臭いも最小限に抑えることができます。喫煙客にもたばこの煙が苦手な客にも、安心して遊技ができる環境を提供できることだと思います。

日本遊技関連事業協会が実施した「パチンコパチスロに関するファンアンケート調査」よると、パチンコファンの喫煙率は、驚愕の58.2%と、一般成人と比較すると3倍以上の喫煙率です。
つまり店内全面禁煙にすると、足が遠のくであろう既存の喫煙客にとっても、喫煙専用室が設置されていれば、たばこが吸える環境がある。そして店側も、愛煙家・嫌煙家どちらにも来てもらうことができる、まさにwin-winと言えるでしょう。

遊技しながらの喫煙ができなくなることで、遊技台と喫煙室を行ったり来たりすることになり、当然のことながら、遊技台の稼動率は下がることになります。それは仕方が無いこととして受け入れるしかありません。

昔はたばこが吸えていたタクシーも、今や全面禁煙。かといってタクシーに乗らなくなったか?と言えば、そんなことはありませんよね。新たなルールができればそのルールに従って利用するものです。
本音ではたばこを吸いながら遊技をしたい客もいるでしょうが、たばこの臭いが気になったり耐えられなくなって足が遠のいた客がかなりの一定数いるのは紛れもない事実です。
健康増進法改正と受動喫煙防止条例の施行によって、パチンコ業界全体が大きく変わることになりますが、どうせ変わるならいち早く方針を打ち出し、受動喫煙による健康被害に対して手を打つ姿勢を見せることは、大きな企業アピールになります
その意味では周りの同業者の出方を待つのは得策ではない、と感じます。受動喫煙対策、対応はお早目に。

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